ISOマネジメントシステムにおける「修正」と「是正処置」の違いについて

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ISOマネジメントシステム(ISO MS)では、不適合が発生した際に、その不適合を「 修正 」し、「 是正処置 」を実施することが求められています。

では、「修正」と「是正処置」の違いとは何でしょうか?

「修正」とは、ISO 9001では、例えば、不適合製品(不良品)が発生した場合、リワークの実施や、不適合製品を適合品(良品)から分離し、隔離し、適合品へ混入しないようにする、不適合製品が発生した生産設備、製造工程を停止する、対象製品の出荷を停止する、既に顧客へ不適合製品を納入してしまっていた場合の返却依頼及び返品処置など、ISO 14001では、例えば、構内で保管している化学物質が漏洩した場合、貯蔵タンクなどの漏洩元の遮断等、漏洩を止め、吸着剤、中和剤の散布など、ISO 45001では、例えば、落下物が発生し、作業者が怪我をした場合、その作業者の怪我の応急処置や病院での手当を行う、落下した場所周辺にポールなど立て、表示し、その場所付近への通行を禁止するなど、「不適合を取り除くこと」(ISO 9000:2015)や、その被害を拡大しないための処置となります。

そして、「是正処置」とは、その「不適合を再発させないため、その原因を取り除く処置・対策」(ISO 9000:2015)となり、再発を防ぐことが目的です。そのためには、その不適合の「根本原因」を掴まなければなりません。

即ち、「根本原因」が明確になっていない処置や対策は「是正処置」ではありません。

更に、「是正処置」では、その不適合の「再発(他の部署や工場、事業所などでの類似の不適合の発生も含め)」の可能性も検討し、必要な場合は、他部門等への「水平展開(横展開)」や、リスクの見直しなども必要となります。

また、「是正処置」を実施した場合は、その処置・対策が「再発防止」として機能しているか、その対策によりその不適合が再発していないかといった、是正処置の「有効性」の確認も行わなければなりません。

ISOマネジメントシステムでは、「修正」、「是正処置」のいずれも必要であり、実施した処置やその有効性の確認含め全て記録に残さなければなりません。

是正処置を計画、実施する際や、内部監査やサプライヤー監査等で「是正処置」について確認する際は、以上のようなポイント(根本原因を明確にしその原因を取り除く対策になっているか、水平展開は?、有効性の評価は?・・・など)が実施されているかその内容含め確認する必要があります。

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ISO 9001:2015

IATF16949:2016

ISO 13485:2016